そもそも痛みとは?
そもそも痛みとは?

そもそも「痛み」とは?

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なぜ痛いところを手で押さえたら痛みがやわらぐの?
〜ゲートコントロールセオリー〜

痛みを伝達する神経はAδやC線維と言うもので、神経線維の中ではかなり細い方です。それに比べて運動神経や圧覚、触覚の神経線維は太いです。神経線維は電気信号を伝達するので、太いほど伝導速度が速く、強い刺激が伝わります。圧覚、触覚を局所に加えると、その神経線維から痛覚神経線維に抑制がかかり、痛みが和らぐメカニズムをゲートコントロールセオリーと言います。(私見ですが抑制する経路があるのなら、促進する経路もあるのではと思っています。)

要は痛みの神経より圧触覚神経の方が太いので、速くて強い刺激(電気信号)を脳に届けられます。それで、痛いところに手を押さえると、脳は弱い痛覚より強い圧触覚の刺激を感知するので、痛みが和らぐのだと思われます。

そこで、興味深いデータがあります。以前、国立スポーツ科学センターで行われた調査で、前十字靭帯断裂術後の選手に一番強固なサポーター着けても固定性は50%程度だったとの事です。ということは、テーピングや普通のサポーターではあまり固定性は期待できないということです。とは言え、私自身も経験していますが、固定性は弱いもののテーピングやサポーターをすることで痛みが和らぐのも事実です。また、腰痛や関節痛で痛いところを圧迫すると痛みが軽減するのも事実です。これは前述したゲートコントロールセオリーで、圧触覚刺激が弱い痛み刺激を覆い、脳に痛みを感じにくくしているのではないかと考えられます。体重を支える部位では、テーピングやサポーター、コルセットで痛みは圧触覚で和らいでも、固定性はかなり弱いと思っておかなければなりません。また、湿布や包帯、指圧、鍼なども実はこのセオリーで効いているのかもしれません。